- Jikeizu -

​自系図

​Jikeizu

 

​CONCEPT

『自系図』は、私の心を映し出した自画像のような作品でありながら、私と関わってきた人々を私のフィルターを通して表したものです。


私という人間を構築しているのは、今まで出会ってきた沢山の人との関わりであり、私がその相手に抱いてる思いや共有してきた記憶を表出させた絵を描くことによって、初めて私という人間を表現できるだろうと考えています。


自画像のようなものとは言いましたが、単なる外見的な要素を描く自画像ではなく、内面的な私の心内を表現したものとなっています。

 

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​教育学部 美術教育専修 4年 小野あいり

自系図

油彩・アクリル・その他素材 / キャンバス・段ボール

約 273×330㎝

 

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母体の中に吸い込まれる。
深い愛情で私を包み込んでくれる母。
私の根源であり、私自身とも言える存在。
ある種の崇拝的な依存心と愛情。

「 渦 」

 
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自身の人間らしさを必死に隠し、皆の偶像としての完璧な姿を大切に守り抜いている。
皆が焦がれる偶像としての自分(白)と、本来の人間らしさを持つ自分(赤)との間で葛藤している。
そのもがきや苦しみが実に痛々しくうつる。

​「 赤と白のストラグル 」

 
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愛情や欲望の本質との対面。劣等感や自己嫌悪で嘆いても、自分からは逃れられない。
人は無駄に言葉を並べて物事をややこしくするのが得意だが、答えはいつもシンプルなことが多い。
自分に理想の姿を強要をするよりも、ただ自分らしく愛していきたい、それが現時点での答え。

「 A. 」

 
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畏怖の念や染みついた恐怖。
私の負の人間性の元であり、トラウマとなっている。
幼少期から絶えず私の心には雨が降り続いている。
​「 長雨 」
 
いつも新しい楽しさを与えてくれた遊び相手。
楽しい時間への期待感や好奇心。
トランプも麻雀も園芸も釣りも探検も、楽しいことは全て祖父が教えてくれた。
青海波の意味は未来永劫平穏に。健康でいつまでも笑っていて欲しい、という願いを込めて。

​「 波 」

 
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理屈っぽくて正義感・責任感が強い。
そこに硬さとトゲトゲしさを感じる。
しかし繊細で柔らかい面も持ち合わせている。
傷つきやすく傷つけやすい。雪のような人。

​「 冬 」

 
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何もかもが正反対で、
性格も食の好みもセンスも価値観も合わない。
時に不快感や歯がゆさを感じるが、
いい刺激をもらっている面もある。
相容れないからこそ面白い。

「 ちぐはぐ 」

 
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主張がよく変わる気まぐれさがある自分のことを平凡な人間だと思い込んでいる非凡な人。
好奇心と楽しさを原動力に生きている。
彼女とは会話の相性が良く、会話におけるパートナーと言っても過言ではない。会話によって価値観への刺激をもたらしてくれる人。

「 気まぐれロマンティック 」

 
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楽しさは共有できたけど反りは合わなかった。
決裂。悲しさ。寂しさ。少しの苛立ち。
消化したいのにしきれない気持ち。
積み重ねた時間がなだれ落ちていく。

​「 崩 」

 
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“ 選び取り“とは一歳児が将来の職業や才能を占う行事のこと。私の選び取りは小学二年生の時だったように思う。この先生が、私の才能を選び抜き、美術の道へ進むよう導いてくれた。何の才能も個性もなかった私に、絵を描くことという可能性を見い出してくれた。

​「 選び取り 」

 
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絵を描くことの楽しさと苦しさを教えてくれた人。この人の期待に応えられなかった申し訳なさと悔しさ。ずっと消化不良のまま心に残っている重さ。

「 未練 」

 
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思い出はいつも鮮やかに綺麗なままで。

時が経てば経つほどに美しく脚色されていく。

あの春を閉じ込めたい。

​「 青い春 」

 
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居るのが当たり前の存在。
家族に近い感覚と付き合いの長さゆえの特有の空気感
何年離れていても再会すれば当時と同じように違和感なく自然と接することができる。

​「 そら 」

 
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曖昧な距離感。
異性としての魅力。
閉鎖空間での錯覚。
悪い夢。

「 白日夢 」

 
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ずっと憧れだった。しかし、荒んでいく姿や周囲への八つ当たりのような振る舞いは見ていられなかった。どこまでもストイックで繊細で難儀な人だと思う。

「 憐憫 」

 
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衝動的で攻撃的。エネルギッシュな面を女性的な物腰や冷静な態度で内包している。
可憐で無垢な少女と世慣れした大人の女性の間で揺れ動いているような、とても不安定な状態。彼女が少しずつ成熟していく様子を見守ってあげたい。

​「 猟奇的レディ 」

 
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腐れ縁。なぜかいつまでもつながっている縁。
なかなか切れず、切れたち思ってもいつの間にかまた繋がっている。
そんな不思議で心地よい関係

​「 縁 」

 
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安定感。懐かしい落ち着いた空気感。
繊細で感受性が高い表面とは裏腹に、心の中には揺るがない太い芯がある。
彼女のこだわりや思想が好き。

​「 まろみ 」

 
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幼い頃はずっと彼女に支配されていた。ひたすらに彼女の言いなりで、子分のようにあとを追いかけていた。
彼女の心の闇に引きずられつつも、自分とは相対するその性質に惹かれていた。

​「 蘭 」

 
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いつも彼との間に隔たりを感じていた。
彼は人に親切で優しいようで実は自分の都合かいいように人を操っている。人のことを軽く見ていることへの悪意や罪悪感がまるでないという恐ろしさ。
好意と下心への嫌悪。

​「 緩衝という名の防柵 」

 
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探検。冒険。自然の中での2人だけの時間。
毎日山に遊びに行っては、置いていかれたり泣かされたり。彼と過ごした時間は楽しいことばかりではなかったが、険しさと高揚感の中で森をかいくぐっていく情景だけは今でも鮮明に思い出される。

「 ご近所探検隊 」

 
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私を理解してくれる数少ない友だった。
負けたくないという対抗意識。
強い親愛とともに強い反発を持っていた。

​「 相反 」

 

おわりに

大学4年間の集大成として、家族や友人などの私の大切な人たちへの思いを描きました。

 

私という人間を形づくっているのは、これまで出会った方々との関わりです。

今まで私と関わって、親交を深めたり、愛を育んだり、喧嘩したり、仲違いしたり、様々な交流をしてくれた皆さまとの出会いを、心から愛おしく思います。

4月から、私は教員になります。

そこではまた新しい出会いがあり、私はさらに学び・成長していくと思います。

その度にこの作品は更新されていき、より大きく濃密なものに仕上がっていくことでしょう。どうぞ楽しみにしていてください。

最後になりますが、

22年間の出会いに心から感謝申し上げます。

​これからも末永くよろしくお願いいたします。

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